現在の日本において、財閥というものは存在しません。
財閥の定義というのはさまざまありますが、戦後、財閥はGHQによって解体されてしまったのです。
ですが、日本の財閥の考え方や定義について、少し考えてみようと思います。
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1.財閥とは家族によって出資された親会社があることが定義になる
まずは、一般的な財閥の定義から説明します。
財閥は、1900年前後に生まれた造語です。
当初は、同郷の富豪を指す言葉でしたが、明治時代末期になると一般の富豪を意味するようになりました。
現在では、財閥の定義として、「家族または同族によって出資された親会社が中核となって、それが支配している子会社に多種の産業を経営させている企業集団」のことをいいます。
また、「中心的産業の複数部門において、寡占企業を傘下にした家族を頂点とした多角的事業形態」のことも、財閥として定義されています。
日本の経済史においては、戦前、三井・三菱・住友・安田などの財閥がありました。
日本の敗戦後、GHQの指令によって財閥は解体させられましたが、企業グループとして結集し、その形を保っていました。
つまり財閥というのは、「○○家で商社などを中心に、色々な分野の産業に手を出して同族経営をしていこう」という試みから始まったものと考えてもいいでしょう。
2.家族を頂点とした多角経営をしている企業が財閥と呼ばれる
世界にも財閥は存在していますが、最も有名な家族での多角経営を行っていた財閥というのは、やはりロスチャイルド家でしょう。
ロスチャイルド家はヨーロッパの財閥で、家族間における多角経営を行い、貴族となりました。
18世紀後半に、マイアー・アムシェル・ロートシルトが銀行家として成功したことから始まります。
彼は5人の息子がいましたが、その息子たちにフランクフルト・パリ・ウィーン・ロンドン・ナポリに分かれて銀行業を拡大させました。
その後、金融業だけではなく鉄道業なども行い、規模を拡大させていったのです。
石油、通信、食品、金属、製薬業などにも、事業を拡大させ、多角経営をしていたのです。
政界との癒着もあり、貴族となったロスチャイルド家ですが、第一次世界大戦などでフランクフルト、ウィーン、ナポリにあった家は途絶えてしまいました。
今は、ロンドンとパリの家が残っており、M&Aなどのアドバイスやプライベートバンキングを中心に事業を行っています。
世界の財閥も、親族間経営を行って、規模を拡大させてきたのです。
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